2016年02月01日

「淡交テキスト・茶の湯 銘と和歌」ご案内

 茶道の雑誌「淡交テキスト・茶の湯 銘と和歌」に、和歌と短歌実作入門の記事を書いています(2016年1月〜12月号)。
 本書は「歌銘に学ぶ」「和歌のある取り合わせ」のほか、米川が「歌の鑑賞から実作へ」を担当しています。
 万葉集から中世までの和歌史と和歌を味わうための基礎知識のほか、毎月、柿本人麻呂など、決定版の歌人2人とその名歌3首前後をあげていきます。
非常にコンパクトなので、和歌は苦手という方にも手軽に手にとっていただきたく、ご紹介させていただきます。

 お茶のテキストなので、茶席にかける「高野切」や「石山切」ほか有名な古筆が図版に多くあがっています。
 また、たとえば2月号の岩井茂樹氏の「歌銘に学ぶ」は、「袖ひちて」という銘の茶杓(松平不昧作)や「玉水」の銘をもつ茶入について、その和歌の 解釈とその銘をもつ茶器に看取する風情の関係を非常に繊細に解かれています。森川宗春氏の「和歌のある取り合わせ」は「菅公と梅」をテーマにした 茶席の意匠を多くの写真で紹介されています。

 私にとって、和歌は実作者としてもっぱらその技法や鑑賞、歌人論につながるものでしたが、この本で、和歌がどのように享受され文化や芸術につながっているかが茶器や茶席の意匠の1つ1つから具体的に解かれるのが新鮮です。私が少しばかり見て来た和歌の世界の向こうに、もう1つ別の、歌を見つめる眼差しがありました。

詳しくは以下をご覧下さい。

http://www.tankosha.co.jp/books/bookfair/151123.html     
 
(米川千嘉子)

posted by かりんの広場 at 21:24| 書籍